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[バックナンバーのトップへ] [Linux システム管理のトップへ] いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.143 / 読者数:1305名こんばんは、うすだです。 お盆休み最後の日曜日ですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 わたしは、お盆休みをとっていませんので、サザエさん症候群になることもなく、 淡々とコレを書いております。 ところで、Radium Software というブログに、よいお話が載っていましたので、 ご紹介したいと思います。
質より量を学ぶ - Radium Software とある陶芸クラスで、作品の「量」が多いとよい評価が得られるグループと、 作品の「質」だけで評価が得られるグループに分けたとき、 それぞれの作品の出来がどうなったか、という実験のお話です。 で、結論を先に書いてしまいますと、よい作品はみな、 「量」のグループから提出されたものだったそうです。 それは、おそらく、「量」のグループの方が、たくさんの作品を作り出すことで、 より多くの失敗を経験し、よい作品を生み出す技術を習得できたため、と考えられます。
困ったことが起こりますと、つい否定的で消極的な感情が先走ってしまいますが、
それらに負けないで、とにかく行動してみよう、と思いました。 というわけで、みなさんも、読むだけでなく行動して、 失敗という経験を積み重ねていただけますと、幸いです。(^ε^) 経験者の場合はどうなんだ? …という疑問はひとまず置いておきまして、 今回も、はりきってまいりたいと思います。 今回のお題 - ファイルの時刻情報を知る何かトラブルが起こりますと、どんなささいなことでもよいので、 できる限り情報を集めたいと思うのが、当事者の心境ではないかと思います。 そんなさまざまな情報の中で、重要となる情報のひとつだと言えるのが、 ファイルの時刻情報ではないかと思います。 そのファイルが最後に更新された時期がわかりますと、 トラブルとの関連などを推測することができます。
しかし、ファイルの時刻情報は、実はそれだけではありません。 というわけで今回は、ファイルの時刻情報を調べる方法について、 ご紹介したいと思います。
最初に、ファイルの各時刻情報を、ご紹介しましょう。 mtime - ファイルの中身を最後に修正した時刻 ctime - ファイルの属性を最後に変更した時刻 atime - ファイルを最後にアクセスした時刻 mtime は、ファイルに書き込んだりなどして、最後に中身を変更した時刻を表します。 みなさんよくご存じの、ls -l などで出力される情報です。 ctime は、ファイルのパーミッションや所有者など、 属性を変更した最後の時刻を表します。 そして、atime は、ファイルの中身を最後に参照したときの時刻です。 さて、これらの時刻情報は、以下の方法で得ることができます。
まずは、みなさんよくご存じの、ls コマンドです。 % ls -l foo -rw-r--r-- 1 usu adm 0 8月10日 11:43 foo これに、-c オプションをつけますと、 mtime の代わりに ctime の情報を出力してくれます。 % ls -lc foo -rw-r--r-- 1 usu adm 0 8月10日 11:44 foo また、-u オプションをつけますと、atime の情報を出力してくれます。 % ls -lu foo -rw-r--r-- 1 usu adm 0 8月10日 11:44 foo
もうひとつ、時刻情報を知るコマンドに、stat コマンドがあります。
% stat foo
File: `foo'
Size: 0 Blocks: 0 IO Block: 4096 通常の空ファイル
Device: 302h/770d Inode: 4721380 Links: 1
Access: (0644/-rw-r--r--) Uid: ( 628/ usu) Gid: ( 4/ adm)
Access: 2008-08-10 11:44:45.000000000 +0900
Modify: 2008-08-10 11:43:58.000000000 +0900
Change: 2008-08-10 11:44:45.000000000 +0900
言うまでもないと思いますが、Access: が atime を、Modify: が mtime を、
そして Change: が ctime を表しています。
ちなみに、上記コマンドたちは、stat システムコールを使用して、
時刻情報を得ていると思われます。
#!/usr/bin/perl
while($ARGV[0]) {
my $file = shift;
my @st = stat($file);
print "[$file]\n atime: " . localtime($st[8]) .
"\n mtime: " . localtime($st[9]) .
"\n ctime: " . localtime($st[10]) . "\n";
}
stat の戻り値は配列で、atime, mtime および ctime の情報は、 配列の 8〜10番目に格納されています。 これらを、localtime で見やすい形式に変換して、出力しています。 さて、上記を、showtimestat.pl という名前で保存して、実行可能に設定したら、 以下のように実行してみてください。
% ./showtimestat.pl foo
[foo]
atime: Sun Aug 10 11:44:45 2008
mtime: Sun Aug 10 11:43:58 2008
ctime: Sun Aug 10 11:44:45 2008
ls や stat コマンドと同様に、各時刻情報が得られています。 それでは、実際に確認してみましょう。 まずは、touch コマンドで、ファイルを作成してみます。 % touch foo % stat foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900
atime, mtime および ctime ともに、同じ時刻になっています。 % chmod g+w foo % stat foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:11:57.000000000 +0900
ファイルの属性が変更されましたので、ctime が更新されました。 % echo test >> foo % stat foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:13:08.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:13:08.000000000 +0900
ファイルの中身を変更しましたので、mtime が更新されました。 % echo TEST > foo % stat foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:10:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 上記のように、ctime が更新されてしまうのですが…。 …ええっと、気をとり直しまして、今度は、中身を参照してみます。 % cat foo TEST % stat foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:20:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 すると、ご想像通り、atime が更新されました。
ちなみに、mount の際に -o noatime を指定しますと、ファイルの中身を参照しても、 atime が更新されなくなります。 # mount -o noatime,loop tameshi.img /mnt/tmp # stat /mnt/tmp/foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:20:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 # cat /mnt/tmp/foo TEST # stat /mnt/tmp/foo ...前略... Access: 2008-08-10 00:20:19.000000000 +0900 Modify: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 Change: 2008-08-10 00:17:50.000000000 +0900 以上、ファイルの時刻情報の参照方法や変更方法を、ご紹介しました。
これらの情報がいつ役に立つのかわかりませんが、上記を実際に確認する手間は、
微々たるものではないかと思います。 宿題の答え前回の宿題は、 削除したファイルを復元しようとしたところ、データブロックがすでに 再利用されていて途方に暮れる、という経験をしてみましょう。 でした。 まずは、いつものように、偽のファイルシステムを作ります。 # dd if=/dev/zero of=tameshi.img bs=1M count=1 # mkfs.ext2 -m 0 -F tameshi.img そして、やっぱりいつものように、マウントします。 # mount -o loop tameshi.img /mnt/tmp 消した後復元したいファイルと、データブロック再利用のために使用するファイルを、 作成します。(前者が hosts で、後者が foo です。) # cp -p /etc/hosts /mnt/tmp # touch /mnt/tmp/foo # ls -1i /mnt/tmp 13 foo 12 hosts 11 lost+found/ 念のため、マウントし直してから、/mnt/tmp/hosts を削除します。 # umount /mnt/tmp # mount -o loop tameshi.img /mnt/tmp # rm /mnt/tmp/hosts この時点では復元可能であることを、debugfs コマンドで確認します。 # umount /mnt/tmp # debugfs tameshi.img ...中略... debugfs: stat <12> ...中略... BLOCKS: (0-6):38-44 TOTAL: 7 debugfs: dump <12> /tmp/hosts debugfs: quit # diff /tmp/hosts /etc/hosts #
データブロックは、38〜44 を使用しています。
さて、ここで、データブロック 38〜44 が再利用されるようにします。 # mount -o loop tameshi.img /mnt/tmp # perl -e 'print "test"x262144' >> /mnt/tmp/foo # umount /mnt/tmp そして、再度 debugfs コマンドで、復元を試みます。 # umount /mnt/tmp # debugfs tameshi.img ...中略... debugfs: dump <12> /tmp/hosts debugfs: quit # cat /tmp/hosts testtesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttest testtesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttesttest ...後略...
…復元したファイルの中身が、test だらけになってしまいました。 というわけで、復元が必要な際には、いち早くアンマウントして、 再利用を防ぐことが必要ではないかと思います。
Vol.142 - 削除したファイルを復元する 今回の宿題今回の宿題は、 ディレクトリやシンボリックリンクの時刻情報を調べてみましょう。 です。
通常のファイルの場合の例は、本題でいくつかご紹介しました。 あとがき
よく、「わたしも〜してみようと思います」と書いて、
なにかの話の締めにすることが、われながら多いように思います。
でも、その後実際に行ったかどうか、うやむやにしてしまっていました。 ですので、とりあえずは、前々回の宿題でちらっと触れました、 プロセスアカウンティングの状態が proc_fs で参照できるものを、 ちょちょいと作ってみました。
プロセスアカウンティングの状態を知るためのパッチ このパッチを、カーネル・ソースのトップディレクトリ上で、以下のように適用し、 カーネルを再構築してください。 # cd /usr/src/linux # patch -p0 < ~/143_acct_diff.txt # make bzImage ... そして、再構築したカーネルで立ち上げ直しますと、 /proc/acct というファイルができます。これを参照することで、 いまの状態がわかるという寸法です。 # cat /proc/acct off
この場合は、プロセスアカウンティングが無効です。 # cat /proc/acct on active pacct
まんなかに active とありますが、これは通常の状態を表しています。 こんな感じで、現在の状態がじかに見られますので、あると便利かも、 と思われた貴兄は、パッチを当ててみてくださいませ。 ちなみに、前々回の宿題の答えでの発言は、以下にあります。
Vol.141 - データをしっかり消去する (…の宿題の答え)
…はい、こう書いても、実際に試していただけるとは思っておりません。 ただ、どうせなら、なるべくみなさんのお役に立てることのほうが、 建設的だと思います。ですので、次回からは、簡単に導入できて、 しかも役に立つモノを目指したいと思います。(…あ、また書いてしまいました…。)
今回も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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