いますぐ実践! Linuxシステム管理

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いますぐ実践! Linux システム管理 / Vol.072 / 読者数:894名

こんばんは、うすだです。

無事に検収を終え、名古屋に帰ってきました。
先週とはうって変わって、平穏な日々が続いております。(嵐の前の…?)

わたしの本業は、Linux な組み込み屋さんなんですが、 先週先々週と東京でやっていたのは、普通の PC 上で動く Linux なお仕事でした。

普段は、相手が組み込み機器ですから、 たいていは RS-232C のシリアルポートがコンソールで、 ケーブルをつないで文字を眺めたりしています。
でも、PC の場合は、ご存知の通り、ディスプレイやらキーボードやらをつないで、 グラフィカルな BIOS の画面を眺めたりしながら、お仕事するわけですね。

ですので、名古屋に帰ってきて、ひさびさに RS-232C のケーブルを見たとき、 とても懐かしく思えてしまいました。

たかだか、10日間見なかっただけなのに、です。
人間の記憶は、かなりいい加減なんじゃないか、という気がしました。
(わたしだけ、という可能性もありますが、それは考えないように…)

それでは、今週も、はりきってまいりましょう!

今週のお題 - コマンドラインを使いこなす

というわけで、検収を通すため、場あたり的な作業を延々とこなしておりました。 そんな中、刹那的にある作業を繰り返し行いたいなどの場合に、 シェルスクリプトをいちいち書くのは面倒ですので、 コマンドライン上でえいやっと作業をしてしまうことが、多々ありました。

シェルから見た場合、スクリプトであろうがコマンドラインであろうが、 文法は同じですから、正しく書けば、同じように処理してくれます。

そのあたりの作業を、他のひとがやってるのを見ていて、ふと、 コマンドラインをうまく使いこなせるかどうかが、 初心者と脱初心者の境界線なのではないか、という気がしてきました。

そんなわけで今週は、シェルのコマンドラインの使い方を、 例を交えて−というか例ばっかりなんですが−ご紹介したいと思います。
あまりコマンドラインを使いこなせてなかった貴兄は、これを機に使い方を覚えて、 先輩や上司を驚かせてやりましょう。(ほんとか!?)


まずは、簡単なところから。コマンドの連続実行をしてみましょう。

複数のコマンドを連続して実行するには、 ; を使います。
たとえば、カレントディレクトリに backup という名前のディレクトリを作成して、 そこに /etc/hosts をコピーするには、以下をに実行します。

  % mkdir backup; cp -p /etc/hosts backup/hosts

mkdir のあとに、cp を実行します。
しかし、この場合、mkdir が成功しようがしまいが、次の cp を実行してしまいます。 ですので、mkdir が成功したときのみ、cp を実行するようにしてみましょう。

  % mkdir backup && cp -p /etc/hosts backup/hosts

&& を使いますと、 左側のコマンドが成功したときだけ、右側のコマンドを実行してくれます。
逆に、左側のコマンドが失敗したときに、 右側のコマンドを実行するには || を使います。

  % mkdir backup || echo "Cannot create backup directory."

こうすると、mkdir に失敗したら、Cannot create backup directory と出力します。 (mkdir が同様のことを言いますので、かぶってますが…。)

さらに、&& と || を両方使うことも可能です。

  % mkdir backup && cp -p /etc/hosts backup/hosts \
  || echo "Cannot create backup directory."

mkdir backup に成功したら /etc/hosts をコピーし、だめだったら文句を言います。


では次に、コマンドの実行結果を、文字列として使ってみましょう。
` で囲んだところは、 コマンドとみなされて実行されます。 そして、その出力結果が、文字列に置き換わります。

たとえば以下を実行しますと、` で囲まれた date +%Y%m%d の部分が実行されて、 文字列に置き換わります。

  % Mail -s "`date +%Y%m%d` : Message" < message.txt

もし今日が2006年9月10日なら、上記は、以下を実行するのと同じことになります。

  % Mail -s "20060910 : Message" < message.txt

今度は、複数のファイルをまとめて処理してみましょう。
sh 系の場合はfor文を、 csh 系の場合はforeach文を使うと、 複数のファイルに対して、同じ処理を、繰り返し行うことができます。

たとえば、カレントディレクトリにあるテキストファイルすべてに対し、 %%HOSTNAME%% と書かれている箇所を、本当のホスト名に変換したい、 としましょう。

sh の for 文の場合は、以下のように実行します。
(いまさらですが、% や > は、プロンプトを表しています。)

  % for file in *.txt ; do
  > sed -i "s/%%HOSTNAME%%/`hostname`/g" $file
  > done

sed コマンドを用いて、テキストファイル(*.txt)を直接書き換えます。
file は変数名ですので、お好きな名前に変えてもらってかまいません。

ちょっと脱線しますが、ファイルを直接書き換えずに、 別のファイルへと出力したい場合は、以下のように実行します。
(new というディレクトリの下の、同名のファイルに出力しています。)

  % for file in *.txt ; do
  > sed "s/%%HOSTNAME%%/`hostname`/g" $file > new/$file
  > done

おっと、csh の foreach 文の場合は、以下のように実行します。

  % foreach file (*.txt)
  > sed -i "s/%%HOSTNAME%%/`hostname`/g" $file
  > end

最初と最後が違いますが、処理内容は同じように記述できます。
これも、直接書き換えでないようにできますが、sed の一行を変えるだけですので、 ここでは割愛します。


以上、コマンドラインの簡単な使い方を、ご紹介しました。

上記は、スクリプトでも同様に使えますので、恒久的に使われる可能性があるなら、 スクリプトにしてしまいましょう。

また、これに限ったことではありませんが、経験がものをいう分野ですので、 上記はじゃんじゃん実行して、使えるようになってください。

宿題の答え

先週の宿題は、

  インターネットでのメールの配送方法を調べましょう。

でした。

たとえば、usu@test.usupi.org にメールを送信するとき、 もっとも手前の MTA は、以下のようにして配送先を決めます。

  1. test.usupi.org の A レコードを確認する。
    test.usupi.org の A レコード、つまり IP アドレスが DNS に登録されていたら、 そのアドレスに配送する。
  2. test.usupi.org の MX レコードを確認する。
    MX レコードが存在すれば、指定されたホストに配送する。
    MX レコードが複数ある場合は、プリファレンス値の小さいものが優先される。 プリファレンス値が同じなら、ラウンドロビンで使用される。

ざっとこんな感じだったと思います。

2. のときが少々ややこしいので、例を示します。

たとえば、test.usupi.org の MX レコードが、以下のように設定されている場合、

  test.usupi.org.  IN  MX  10   mta1.usupi.org.
  test.usupi.org.  IN  MX  10   mta2.usupi.org.
  test.usupi.org.  IN  MX  20   mta3.usupi.org.

まず、 プリファレンス値が最小の mta1.usupi.org か mta2.usupi.org に配送しようとします。 どちらも無応答だと、mta3.usupi.org に配送しようとします。

あと、ちょっと脱線しますが、以下のように、 ワイルドカードを使用することができます。(MX レコードに限らず使用できます。)

  *.usupi.org.     IN  MX  10   mta.usupi.org.

こうしておくと、とあるホストの MX レコードの問い合わせが来たとき、 DNS サーバにそのホストの情報が(MX レコードに限らず)全くなければ、 上記の情報を代わりに返してくれます。
ただし、そのホストの情報がすでにある場合は、ワイルドカードの情報を使用しません。

気になるかたは、簡単に試せる DNS サーバ上で設定して、確認してみてください。

今週の宿題

今週の宿題は、

  コマンドライン上で、カレントディレクトリにある HTML ファイルを、
  テキストファイルに変換してください。

です。

sh の for 文でも csh の foreach 文でも、どちらでも構いません。
a.html とか b.html とかがあったら、テキストに変換して、 a.txt とか b.txt という名前で保存できればいいと思います。

あとがき

カーテンの金具がこわれたので、カーテン屋さんまで買いに行きました。

わが家のカーテンは、普通のカーテンレールに金具を取り付けて、 そこにカーテンをワンタッチで取り付けるようになっています。
でも、ワンタッチで取り付けるやりかたを忘れてしまい、 無理に取り付けようとして、金具をだめにしてしまいました。

最初は、近くのホームセンターへ、金具を探しに行ったのですが、 特殊な形状だからうちにはない、と言われてしまいました。

しかたがないので、買ったお店まで買いに行きました。
最終的には購入できたのですが、メーカー名を特定して、同じ形状の金具を探し、 価格をカタログで調べるという作業が必要になり、 ずいぶん手間がかかってしまいました。
(もちろん、わたしは待っていただけで、お店のひとが大変でした。)

で、結局何が言いたいかと言いますと、インターフェースは大事なんだ、 ということです。

いや、今ですね、親戚からもらってきた、 ネットワークも USB もついていないふるーい PC をセットアップしているのですが、 幸い PCI バスがありましたので、どちらもボードを増設することで、 事なきを得ました。
(…というくらいふるいんです。でも Windows2000 が動いてます。)

PC の世界では、互換性がどうのこうの言われることがありますが、 物理的にもソフト的にも、 昔から変わらないインターフェースがたくさんあるように思います。
怪しげな台湾製のボードが使えたり、いにしえのころのソフトがちゃんと動いたりと、 何かしら互換性の恩恵を受けているのではないでしょうか。

というわけで、カーテン業界もこれを見習って、 インターフェースを共通にしてくれると、買いに行く手間はもちろん、 コスト削減にもつながって活性化されると思うのですが、いかがでしょうか。

 

…いかがでしょうかって言われても、困りますよね。
なんとも落しどころのないお話でした。すみません。

 

今週も、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また来週に、お会いしましょう!

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